Archive for the ‘数学’ Category
ベルヌーイ数 (3): ベルヌーイ数の正体
今回はベルヌーイ数を具体的に計算します。
\[
\begin{equation}
S_k(n)=\sum_{i=1}^n i^k= 1^k+2^k+3^k+\cdots +n^k \tag{1}
\end{equation}
\]
前回の議論で(1)で定義されるべき乗和$S_k(n)$の一般的な公式がベルヌーイ数$b_k$を使って、(2)のように表されることを証明しました。
\[
\begin{equation}
S_k(n)=\frac{1}{k+1} \sum_{j=0}^{k} \binom{k+1}{j} b_j n^{k+1-j} \tag{2}
\end{equation}
\]
ここで、ベルヌーイ数$b_k$は、べき乗和の多項式$S_k(x)$の微係数を用いて、
\[
\begin{equation}
b_k=S’_k(0) \tag{3}
\end{equation}
\]
のように導入されました。
ベルヌーイ数 (2): ファウルハーバーの公式の証明
前回:ベルヌーイ数 (1): ファウルハーバーの公式のまえがき
さて前回、下記のような数列の和を求める公式をファウルハーバーの公式と呼び、それがベルヌーイ数と呼ばれる数列と深くかかわっているという話をしました。
\[
\begin{equation}
S_k(n)=\sum_{i=1}^n i^k= 1^k+2^k+3^k+\cdots +n^k \tag{1}
\end{equation}
\]
結論から言うと、$k$番目のベルヌーイ数を$b_k$としたとき、
\[
\begin{equation}
S_k(n)=\frac{1}{k+1} \sum_{j=0}^{k} \binom{k+1}{j} b_j n^{k+1-j} \tag{2}
\end{equation}
\]
と表すことが出来、これがファウルハーバーの公式です。
ちなみに、この${b_k}$は一般に使われるベルヌーイ数とは少し異なる、関によって用いられたベルヌーイ数です。これについても後で話します。
ベルヌーイ数 (1): ファウルハーバーの公式のまえがき
ファウルハーバーの公式と、けったいな名前がついていますが、みなさんのなじみのある公式です。
高校の数列の授業で、このような式を習ったと思います。
\[
\begin{equation}
S_1(n)=\sum_{i=1}^n i= 1+2+3+\cdots +n = \frac{n^2}{2}+\frac{n}{2} \tag{1}
\end{equation}
\]\[
\begin{equation}
S_2(n)=\sum_{i=1}^n i^2= 1^2+2^2+3^2+\cdots +n^2 = \frac{n^3}{3}+\frac{n^2}{2}+\frac{n}{6} \tag{2}
\end{equation}
\]\[
\begin{equation}
S_3(n)=\sum_{i=1}^n i^3= 1^3+2^3+3^3+\cdots +n^3 = \frac{n^4}{4}+\frac{n^3}{2}+\frac{n^2}{4} \tag{3}
\end{equation}
\]
式(1)は、ガウスが小学校の算数の時に一瞬で証明してしまった話で有名ですね。式(3)を知らないという方はこれを機会に覚えてしまってもいいかもしれません。
次元の呪い!?(1): 球面集中現象
今日は1つの数学の問題について考えてみましょう。
We have a $\mathbb{R}^p$ unit ball which $N$ sampled uniformly.
1) Find the closest point to ${\bf 0}$. Let the distance be $r_{NN}$.
2) Repeat this with new $N$ samples.
3) Prove about the median $r^*$ of $r_{NN}$
\[
\begin{equation}
r^*=\left\{1-\left(\frac{1}{2}\right)^\frac{1}{N} \right\}^\frac{1}{p} \tag{1}
\end{equation}
\]
$p$次元球というのがまた考えにくいのですが、まずは $p=3$ あたりで考えてみてください。
40-32÷2=4!の一般解 (4) 巨大因数の探索
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前回から続いて、${(w-1)!-1}$ が合成数である場合を考えましょう。
基本的な考え方は素数の場合と同じです。
解を持つ $z$ の条件は、
\[
\begin{equation}
z < (w-1)! \tag{5}
\end{equation}
\]
\[
\begin{equation}
(z-1) | \left(w ((w-1)! – 1)\right)\tag{6}
\end{equation}
\]
です。
(6)より、$w$の素因数と、${(w-1)! – 1}$の素因数をそれぞれ求めて、 その組合せから${w ((w-1)! – 1)}$のすべての約数を求めればよいでしょう。そのときは、(5)の条件も考慮して不必要な要素を省いていきます。
さて、ここまで、最初の問題の解のパターンを、すべて導出するという目的で議論してきましたが、これらの問題はある種のパターンの合成数に対する素因数分解の問題に深くかかわっていることがわかってきました。
とても残念ですが、素因数分解の問題を一般性を残したまま扱うのは、そろそろ限界かもしれません。
40-32÷2=4!の一般解 (3) 階乗素数との関係
さて、前回までに分かったことを一旦まとめてみましょう。
まず問題ですが、
\[
\begin{equation}
x-\frac{y}{z} = w!
\end{equation}
\]
\[
\begin{equation}
\frac{x-y}{z} = w
\end{equation}
\]
を満たすような$1$以上の正整数$x$, $y$, $z$, $w$を求めよという問題でした。
これに対し、これまでの議論から、適当な$z$, $w$を選ぶと
\[
\begin{equation}
x = \frac{z w ((w-1)!-1)}{z-1}
\end{equation}
\]
\[
\begin{equation}
y = x – z w
\end{equation}
\]
と解が得られることがわかっています。
ただし、$w$に対する$z$において、解が得られるための下記の制約条件がありました。
\[
\begin{equation}
z < (w-1)!
\end{equation}
\]
\[
\begin{equation}
(z-1) | (w ((w-1)! – 1))
\end{equation}
\]
条件(5) は 式 (4) に対し $y > 0$ から得られます。一方、条件(6)は式(3)の$x$が整数であることから導かれました。
40-32÷2=4!の一般解 (2) zの条件
まだもう少し続けられそうなので、解なしの部分に関して
${w=4, z=4}$のとき、
\[x=\frac{4\cdot 20}{3}\]
を満たす解はありませんで
$4$は$3$で割れませんから、$20$を$3$が割り切るか考
40-32÷2=4!の一般解 (1) 問題提起
40-32÷2=4!
が流行ってるようなので、暇つぶしにこのパ
まずこの問題は、下記の二式を満たす4つの整数$x,y,z,w$を
\[
\begin{equation}
x-\frac{y}{z}=w! \tag{1}
\end{equation}
\]
\[
\begin{equation}
\frac{x-y}{z}=w \tag{2}
\end{equation}
\]
ここで、式2つに対して、変数4つなので、自由度は2です。2つ変数を決めれば
式変形して議論しやすい形に持って行きます。