PostHeaderIcon 40-32÷2=4!の一般解 (1) 問題提起

40-32÷2=4!

が流行ってるようなので、暇つぶしにこのパターンの式をどれだけ作ることが出来るのか考えて見ます。本記事はfacebookに投稿していたものをブログ用にまとめたものです。

 

まずこの問題は、下記の二式を満たす4つの整数$x,y,z,w$を求める問題として定式化されます。
\[
\begin{equation}
x-\frac{y}{z}=w! \tag{1}
\end{equation}
\]

\[
\begin{equation}
\frac{x-y}{z}=w \tag{2}
\end{equation}
\]

ここで、式2つに対して、変数4つなので、自由度は2です。2つ変数を決めれば、残りは決まります。注意すべきは、整数という制限がつくため、2つ決めてもそれを満たす解がない場合があることです。
式変形して議論しやすい形に持って行きます。

 

 

式(1)(2)の両辺に$z$を掛けて、(1′)(2′)とする。(1′)$-$(2′)として、
\[
\begin{equation}
(z-1)x=z(w!-w) \tag{3′}
\end{equation}
\]

戦略としては、これで$y$が消えたので、$w$と$z$を適当に決めて$x$を求める。
\[
\begin{equation}
x=\frac{z(w!-w)}{z-1} \tag{3}
\end{equation}
\]

得られた$x,z,w$を(2)に代入して$y$を求める。
\[
\begin{equation}
y=x-zw \tag{4}
\end{equation}
\]

$z,w$を決めても$x,y$がないかもしれないことに注意。

 

さて、ここからどう攻めるかですが…
まずは、基本問題の$w=4$から行きましょう。
(3)に代入すると、

\[x=\frac{20z}{z-1} \]

この式に$z$を適当に代入して評価して行きましょう。$z=2$からいきます。

 

$z=2$のとき。

\[x=\frac{20\cdot 2}{1}=40\]

(4)に代入して、

\[y=40-2\cdot 4=32\]

したがって、

\[\therefore (x,y,z,w)=(40,32,2,4)\]

当然これは元の式で自明です。どんどん行きましょう。

 

$z=3$のとき、

\[x=\frac{20\cdot 3}{2}=30\]

\[y=30-3\cdot 4=18\]

よって、

\[\therefore (x,y,z,w)=(30,18,3,4)\]

だんだんx,yが小さくなってますね。下限があるのでしょう。

 

$z=4$のとき。

\[x=\frac{20\cdot 4}{3}\]

より…って右辺が$3$で割れないから無理!よって解なし。だんだん面白くなってきた

 

$z=5$のとき。

\[x=\frac{20\cdot 5}{4} = 25\]

\[y=25-5\cdot 4=5\]

したがって

\[\therefore (x,y,z,w)=(25,5,5,4)\]

そろそろ打ち止めの予感。

 

$z=6$のとき。

\[x=\frac{20\cdot 6}{5}=24\]

さあここで

\[y=24-6\cdot 4=0\]

は$y$が1以上の整数であることから不成立。打ち止めです。

 

つまり、$w=4$のとき、(4)から

\[x > 4z\]

より、(3)と合わせて、

\[\frac{20z}{z-1}>4z\]

を満たす$z$だけが解であることがわかったわけです。

これより、

\[20z>4z(z-1)\]

\[\therefore 5>z-1\]

\[\therefore z<6\]

つまり、$z$の上界が5ということがわかります。それ以上の$z$は打ち止め。

これでずいぶんと話が楽になりそうです。

 

ここで、話を飛躍させて、$w=5$の場合をかんがえてみましょう。

\[\therefore w!=120\]

\[\therefore w!-w=115\]

よって、$z$の条件は、

\[\frac{115z}{z-1}>5z\]

計算すると

\[\therefore 115z>5z(z-1)\]

\[\therefore 23>z-1\]

なって、

\[\therefore z<24\]

ちょっと確認したくないぐらいの数になってきました…

 

まてよ、これ一般の$w$に対してもおんなじ用に考えられるな。

 

一般に、

\[\frac{z(w!-w)}{z-1}>zw\]

これを計算すると

\[\therefore z(w!-w)>zw(z-1)\]

\[\therefore ((w-1)!-1)>(z-1)\]

したがって、
\[
\begin{equation}
z<(w-1)!\tag{5}
\end{equation}
\]

おー、すごく簡単な式になった!式番号つけちゃ

 

そうか、さっき感じた「これ計算するのかったるそうだ」というのは$z$を押さえる不等式の右辺が階乗で爆発するからなんだ。

 

さあ、いくらかこの問題の性質がわかってきた。しかし、まだまだ謎は残っている。果たして$w$はいくらでも大きく出来るのか、そして$z,w$が決まったとき、解なしという例外はいつ発生するのか。次回に続く(笑)

 

次回:40-32÷2=4!の一般解 (2)

 

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